「身の丈以上の外交できない」=尖閣の教訓、国力増強が必要−前原外相
前原誠司外相は1日午後、都内で講演し、沖縄県・尖閣諸島沖の漁船衝突事件に
触れた上で、「外交は身の丈以上のことはできない」とし、日本の総合的な国力増強の
必要性を強調した。衝突事件では逮捕された中国人船長が釈放され、中国の圧力に
屈した「外交の敗北」と批判する声がある。前原氏はこういう批判も念頭に、日本外交
についての見解を示したとみられる。
前原氏は講演で「最優先は日本の国力を増進し、経済成長に資するための外交だ。
このことは今回の尖閣で起きた問題と密接に絡んでいる問題だ」と指摘した。その上で、
「国力は軍事力だけではない。経済的な力、技術的な力、マンパワー、すべて含めての
国力だ」と説明。「外交のカード、日本の国益を大きくし、世界の平和と安定に貢献できる
か考えないといけない」と述べた。
一方、中国の著しい経済成長にも言及し、「日本が国益をどのように守り、共存共栄を
この地域で図るのか、根本的に問い直さなければならない」との考えを示した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010100100914