電気給湯システム「エコキュート」について、和歌山県消費生活センター(和歌山市)に訪問販売での契約に関する相談が増加している。
紀南地方でも目立ち始めており、同センター紀南支所(田辺市朝日ケ丘)では「契約前に周囲に相談するなど、しっかり検討してほしい」と呼び掛けている。
エコキュートは、空気をポンプで圧縮すると生じる熱で、風呂や台所で使う湯を沸かすシステム。
ポンプを動かすのに電気を使用する。夜間電力を利用できる経済性や省エネ性能の高さを売りに、電器メーカー各社が販売に力を入れている。
県消費生活センターによると、オール電化関係と合わせた県内の相談件数は昨年度で計79件。対して本年度は4〜8月で計50件と、昨年度の約1・5倍ペース。
相談事例では、大手電力会社の関連会社であると偽りエコキュートを勧誘してきた▽訪問販売でエコキュートを導入したが、契約代金が高額な上に説明ほど電気代が安くならない、など。
訪問販売の流れは、電話勧誘の後、説明に行くとして実際に営業担当者が訪問する場合が多い。訪問時に強引に勧誘したり契約を急かしたりする業者もいる。
同センターでは9月、相談の相次いだ大阪市内の業者を呼び出し、口頭で注意した。以降相談が目立てば、県内での営業停止など法的措置を取る。
センターによると、和歌山は都市部ほどエコキュートが普及していない上、住環境が設置場所や運転音の面で適し、業者にとって販促活動がしやすいという。
みなべ町以南では、オール電化関係と合わせた相談件数は、昨年度で計19件。本年度は4〜8月で計9件。紀北と比べて悪質なケースは少ないものの、今後増えることも予想される。
契約の注意点として、契約する意思がない場合はきっぱりと断る▽契約前に他社の見積もりを取るなど、比較検討する▽光熱費が安くなる場合の条件の説明を受ける―などがある。
またセンターでは、一定の期間内であれば理由なしの解約ができるクーリングオフの活用も呼び掛けている。
同センター紀南支所は「契約の際は即決せず、本当に必要か冷静に考えてほしい。契約について不明な点があれば気軽に相談してほしい」と話している。
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