沖縄県の尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で、
那覇地検が公務執行妨害容疑で逮捕された中国人船長(41)を釈放したことを受け、
同県の漁業関係者からは25日、「国策に基づく釈放で解せない」「いい漁場。本当は行きたいのだが…」などという声が聞かれた。
10年ほど前まで船団を組んで尖閣諸島の近くまで行っていたという石垣市の漁師の男性(37)は
「1回の漁で近海の2倍、1トン程度は捕れた」と振り返った。
「海上保安庁に行かないようにと言われるので、今周辺で漁をするという人は聞かないが、いい漁場だけに本当は行きたい」と複雑な心境をのぞかせた。
2年前まで漁に出ていたと話す同市の女性(33)は、今回の問題について「魚がたくさんいる場所なだけに難しい」とコメント。
「昔ははえ縄が絡まって他国の船が切ってしまっても、結んでいくというようなマナーがあったが、今はそういうこともなくなってきている」とつぶやいた。
一方、石垣港では「国策に基づく釈放で解せない」と漏らす男性もいたが、
別の漁師の男性(31)は「あの地域をみんなで共有できたら一番なのに」と話した。
所属する船の多くが4〜7月に尖閣諸島周辺海域で操業する伊良部漁協(宮古島市)の関係者は
「燃料高騰が続いており、この時期にわざわざ尖閣まで行く船はないが、シーズン中でも中国漁船と出くわすことは珍しい」と指摘。
県水産課によると、沖縄の漁船が操業するのは尖閣の日本側、中国漁船は同国側で活動することが多く、「すみ分け」ができていたという。
日本側では本マグロが多く捕れる一方、アジやサバの漁場である中国側は海底が深く、漁法も異なるとされる。
http://www.worldtimes.co.jp/today/kokunai/100926-4.html