ビートトップ飼料化へ実証実験
帯広畜産大や帯広市などで構成する「ビートトップ飼料化促進協議会」(会長・高橋潤一帯畜大教授)は今年度、
農水省のエコフィード緊急増産対策事業を活用し、ビートトップ(茎や葉)の飼料化実証試験に乗りだす。
生菌剤を活用し、長期保存可能で嗜好(しこう)性に優れたビートトップ発酵飼料を製造、乳牛に与え、乳量や乳質、嗜好性などを検証する。
未利用資源活用による生産コストの削減や飼料自給率の向上が期待される。
十勝の基幹作物であるビートの収穫後に残るビートトップは高水分のため腐りやすく、家畜飼料としては利用しづらかった。
畑作農家は緑肥として畑にすき込むのが現状。管内で発生するビートトップは年間約160万トンとされ、利活用が課題。
丸紅(東京)が販売している生菌剤により、ビートトップの長期保存や飼料栄養価を高めることが、帯畜大によって確認されている。
試験では、芽室町の畑作農家の協力を得てビートトップの収穫を行う。収穫機の改良は東洋農機(帯広)が担う。
ビートトップ発酵飼料の製造は、生菌剤を添加した飼料に麦わらや豆殻などを混合すると水分量が調整でき、新たな粗飼料ができる。
家畜が好む良質な発酵TMR(完全混合飼料)の素材となる。飼料成分や安全性、保存性の検証については同大とタイセイ飼料(音更)が担当。
乳牛への給与試験は同大と芽室町の酪農家で行う。
14日午前11時から同大で記者会見した高橋会長は「粗飼料生産コストを下げ、温室効果ガス低減にもつながる。
実用化を目指し取り組んでいきたい」と強調した。
同協議会は酪農家や畑作農家、十勝農協連、日本甜菜製糖などの代表者16人で構成。
同事業は来年3月末まで、予算は約655万円。
http://www.tokachi.co.jp/news/201009/20100914-0006610.php