メキシコで最も危険な都市、1時間に3件の銃撃戦が発生、1日で25人死ぬ
麻薬カルテルと治安当局間の流血の衝突が長期化するメキシコ北部のチワワ州で9日、約1時間で3件の発砲が起きるなどの暴力事件が多発し、計25人が死亡した。
同州の捜査当局が明らかにした。チワワ州は「麻薬戦争」の最前線の1つだが、1日で25人が殺害された事件は同州で今年、最悪規模となっている。
捜査当局によると、死亡者のうち7人は女性、少女で15歳が2人含まれる。17歳の少年も殺害された。14人は、1時間で3件起きた発砲事件で死亡した。
1件では、6人が民家外に集まっていたところ、自動小銃や短銃で武装した複数の男に襲われ、殺害されている。
70発以上の銃弾が発せられたという。犠牲者は15歳から67歳までで、遺体は路上に放置されていた。
同州のシウダーフアレス市では家族4人の銃殺された遺体が車庫や物置で見付かった。犠牲者には十代の2人が含まれる。
これら一連の犯行の背後関係は不明。
ただ、シウダーフアレス市では麻薬カルテルと治安当局間の衝突が連日のように発生し、メキシコで最も危険な都市ともされる。
チワワ州は米テキサス州と国境を接し、米治安当局は麻薬絡みの犯罪が国内に波及することを懸念、メキシコへの渡航自粛も呼び掛けている。
メキシコのカルデロン大統領は2006年の就任後、麻薬カルテル根絶を内政の重要課題と位置付け、軍部隊を各州に派遣、治安維持などに当たらせている。
麻薬密輸組織掃討や麻薬カルテル間の抗争などに絡む犠牲者は同年以降、約3万人に達している。
カルテルによる治安、行政当局者への報復攻撃も絶えず、過去1カ月内に市長ら3人が殺害されている。
http://www.cnn.co.jp/world/30000178.html