縄文時代もあった!?“ペット霊園”
宮城県教委は2日、大崎市田尻小松の北小松遺跡から、縄文時代晩期(約2500年前)の犬の墓や
掘立柱(ほったてばしら)建物跡、動物の骨で作った髪飾りなどを発掘したと発表した。
県教委は「当時の人々の暮らしを知る上で貴重な資料」としている。
調査は圃(ほ)場整備に伴い、2007年度から水路と農道になる部分で実施。今年は、水辺の集落と
ゴミ捨て場を発掘した。犬の墓は5基見つかり、計6匹分の骨が埋葬されていた。食糧のシカや
イノシシの骨がバラバラに捨てられたのとは対照的に、ほぼ全身がそのままの形で見つかった。
ペットとして飼われ、住居近くに丁重に葬られたとみられる。
掘立柱建物跡は11棟確認された。住居として使われたとみられ、建物の1辺は2〜3メートル。
五角形や六角形の建物跡もあった。二つの柱穴には直径25〜35センチの木柱が腐らずに残っていた。
水辺のゴミ捨て場には貝殻や動物の骨の残骸(ざんがい)、土器が多数見つかった。赤漆か朱を塗った
髪飾り、シカの角製の棒状の腰飾りなどの日用品、沿岸部の集落から持ち込まれたとみられる棒の
先に付けたモリやヤスなどの骨角器も見つかった。
ゴミ捨て場は地下水位が高く、遺物が空気に触れなかったうえ、貝殻のアルカリ性が酸性土壌を
中和したことで骨が残りやすかったという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20100903-OYT1T00388.htm