「ユニバーサル本」作製 仙台の障害者・相原さん
重度の脳性まひで車いす生活を送る仙台市太白区の相原雅之さん(40)が、手が不自由な人でも
読みやすい本のスタイルを考案した。名付けて「ユニバーサル本」。同じような障害を持つ人に
参考にしてもらおうとイベントなどで紹介している。
相原さんが「自作」したユニバーサル本は、車いすバスケを描いた漫画「リアル」など10点。いずれも
ページを本から切り離してクリアファイルに入れてとじ直したもので、ページより一回り大きいファイルを使う。
手指が不自由な人が本を読む場合、あごやほおでページをめくる。手でめくれたとしてもページを
くしゃくしゃにしてしまったり、何かの弾みで本が閉じると自力で開けなかったりもする。
ユニバーサル本は、ファイルの背の部分を上下2カ所だけで留めることで、めくりやすく、開いたままの
状態にしやすいように配慮。ファイルにすることで汚れる心配もなくした。
もともと相原さんは、読書にパソコンを利用。ページを一枚一枚切り離してもらい、スキャナーで取り込んだ
ものを読んでいた。はじめは福祉関連の本だけだったが、一昨年春の結婚を機に、ケアマネジャーの妻
容子さん(38)に「面白いから」と漫画を勧められた。
「読書自体が苦労だったので漫画本を読んだことがなかった。読み始めると、アニメとも活字とも違う面白さが
あった」と相原さん。そんな中で、ユニバーサル本のアイデアが生まれた。
漫画本を譲り受け、業務用スキャナーも入手して読み進むうち、切り離したページがたまった。
「捨てるのがもったいない」とファイルでとじる方法を思いついた。ファイルのサイズやとじ方は、試行錯誤を重ねた。
8月29日に開かれた宮城県障害者福祉センター(宮城野区)のセンターまつりでも来場者に紹介した相原さん。
「この形ならパソコンを使わない人も気軽に読め、教科書なんかも見やすい。漫画に限らず、障害者が本に
親しむきっかけになれば」と話している。
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/09/20100901t15035.htm 依頼42