中国人はなぜ世界中で嫌われるのか? → 40年前の日本と同じだから
世界中に広がる嫌中感情
フィリピンだけではない。中国にとってより深刻な問題は、こうした現象が近年世界中で起きていることだろう。嫌中感情の高まりは、今や日本や韓国だけの専売特許ではない。
例えば、ベトナムだ。最近の報道によれば、現在ベトナムでは中国人男性とベトナム人女性の国際結婚が問題になっている。
結婚適齢期の女性が圧倒的に不足する中国では、ベトナム人女性との結婚斡旋(という名の「人買い」)がビジネスとして成立するからだ。
実際に、ベトナムでは中国人の国際結婚ブローカーが逮捕されるケースも少なくないらしい。
最近ベトナム人の間で嫌中感情が高まり、逆に中国人はネット上で「ベトナム人は恩知らず」などと反発している。
このような例はほかにもたくさんある。特に目につくのは韓国、ベトナムのような周辺国ではなく、
むしろパプアニューギニア、アフリカ、欧州など近年中国が新たな進出先、投資先として多くの中国人を送り込んでいる地域でのケースだ。
嫌中感情は今後も続く
一部の反中・嫌中派識者は海外で中国人が嫌われる理由として、中国人に特有の自己中心、
ご都合主義、独善、責任転嫁、人間不信、土匪性などを挙げている。しかし、これは必ずしも正しいとは思わない。
「ジコチュウ的」振る舞いは決して中国人の専売特許でなく、むしろ開発途上国共通の国民性だ。この点は以前詳しく述べた(中国株式会社の研究:その24)ので、ここでは繰り返さない。
海外に進出する中国人が嫌われる最大の理由は、ズバリ、その物理的人数の多さだと思う。
これだけの数の中国人が海外に出ていけば、彼らは昔のような国際派のエリートよりも、外国に行くのが初めての人たちが圧倒的に多いはずだ。
1970年代の日本人ビジネスマンや農協の海外パックツアーのことを思い出してほしい。日本人ですら外国でトラブルを起こさないノウハウを体得するのに何世代もかかったではないか。
今中国が経験しているのは、40年前に日本人が経験したことと基本的に変わらない。
このことに中国人自身が気づくまで、「嫌中感情」は今後も世界中で続くだろう。これが、今日の中国海外進出の悲しい現実である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4377