竹中工務店、4年ぶり中間増益 採算重視の受注が寄与
竹中工務店が30日発表した2010年6月中間連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比52.9%増の122億円となり、
上期としては06年以来4年ぶりの増益を確保した。採算重視の受注を進めたことが寄与した。
ただ、ゼネコン各社は公共投資と民間設備投資の大幅な減少に加え、海外の売上高も落ち込む“三重苦”に直面しており、
竹中工務店も採算的には「利益率が低い状況」(辻幸財務室長)が依然続いている。
売上高は5.3%減の5498億円と、上期では2年ぶりの減収となった。
民間製造業の設備投資が縮小した影響のほか、欧州地域向けを中心とする伸び悩みから、全体の受注高が1.4%減の4511億円と苦戦したことが直撃した。
ただ、工事の採算性の改善を図り、コスト削減を強化したことで、経常利益は31%増の138億円と2けたの伸びとなった。
「量より質の活動を続けた効果が少しずつ表れてきた」(俵谷宗克常務執行役員)という。
10年12月期の見通しは、売上高を前期比5.6%減の1兆1100億円と当初計画の1兆1505億円から下方修正した。
公共投資や民間設備投資の縮小が下期も予想され、竹中本体の建設工事受注高が当初計画より1000億円少ない19%減の7000億円にとどまる見込みになったことが要因。
7000億円台に落ち込むのは1986年以来24年ぶりという。
ただ、厳しい環境の中でも引き続き採算を重視した受注活動を徹底することで、
営業利益は14.9%増の170億円、経常利益は11.4%増の205億円と2けたの増益を予想。
「下期は(採算が悪い)入札工事が多いが、コスト低減に取り組みたい」(俵谷氏)としている。(今井裕治)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100831/bsc1008310501005-n1.htm