県内チタケ豊作で… キノコ採り遭難急増
今シーズンは豊作とされるチタケが最盛期を迎える中、今年県内ではキノコ採り中の遭難事故が12日までに
6件発生、過去5年間で最多だった2008年を上回るペースで推移していることが県警のまとめで分かった。
遭難者6人全員が40歳以上の中高年者だった。死者は4人と昨年1年間の2人をすでに上回っており、
県警は「急斜面やがけなど危険な場所に立ち入らないでほしい」と注意を呼び掛けている。
県警地域課によると、過去5年間のキノコ採り中の遭難事故は計26件。すべてが8月以降に発生しており、
うち22件が滑落で、計9人が死亡している。最も多かったのは08年の9件だが、8月12日時点では4件で、
今年はそれを上回るペースで推移している。
今年7月18日に日光市の山林で、同市の80代男性が急斜面を約40メートル滑落し死亡。同22日には
那須塩原市の箒川支流で60代男性、今月も7日と12日に日光市の山林で40代と70代の男性の死亡が
確認されている。軽傷の2人を含め、いずれも登山道から離れた斜面などで滑落していた。
今夏は高温多湿の影響で、昨年よりチタケの生育が順調で豊作だという。同課は「人があまり立ち入らない
場所にチタケが生えていることが多い。そこで足を滑らせたり、つかんだ小枝が折れたりしている」と事故の
形態を分析する。
またキノコ採り中の遭難防止策として、家族などに行き先を知らせておくこと、1人で山に入らないこと、
常に周囲の状況に気を配ることなどを挙げる。さらには「入山の際はヘルメットなど十分な装備品を整えて
もらいたい」と訴えている。
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20100812/366683