「明日も楽しく来てほしい」
○…区内10園が加入する横浜市幼稚園協会。今年度からその栄区支部長を務めている。月1
回の園長会や保護者向け情報紙の発行のほか、年5・6回の研修会で情報交換を行い、職員の
スキルアップも図る。「とにかく子どものために」各園がその思いを強く持っているため、「意見も
積極的に出て、協力的。(会長として)苦労はない」と笑顔で話す。
○…小学生のころから子どもが好きだった。中学生の時には教職の道を志し、そのまま大学に
進学した。「教諭はどんなに勉強しても天辺はない。教諭の成長は子どもの10分の1。常に勉強
しなければ子どものほうが先にいってしまう」と努力の大切さを語る。藤沢市の小学校に4年、鎌
倉市の小学校に38年、最後は校長を務めて退職した。最初に受け持った5年生はもう還暦になる。
「仕事も落ち着いたころだから、そろそろ会えるかな」
○…依頼を受けてやまゆり幼稚園の園長に就任したのは9年前。「園長先生、おはようござい
まーす」の元気な挨拶は「何かいいことがある時」と目を細める。挨拶の後に続くのは、捕まえた
虫の自慢や一生懸命折った折り紙のプレゼントなどさまざま。そんな「宝物」が、何よりのやりが
いになっている。
○…少子化が叫ばれる昨今。「子どもが丁寧に育てられすぎて、転ばぬ先の杖がたくさんある
状況」を懸念する。そこで同園が方針の一つに掲げたのは「安全教育」よりも、失敗することを大
切にした「危険教育」。危険な冒険も、手が出る喧嘩も、できる限り見守っている。「つまずいたら
まず手をつく」「叩かれたら痛い」などを行動して学ぶことで、年少時にはすぐに手が出ていた喧
嘩も年長になると話し合いから始まるようになるという。日々成長する子どもを見守り、願うことは
ただ一つ「明日も楽しく通って来てほしい」。そう語る表情は子どもと同じくらい輝いていた。
http://www.townnews.co.jp/0109/2010/07/29/61363.html