>>112 >P≠NPが証明されたらサマウォに出てきたようなRSA暗号は安全であることを証明できるんだけど
できない.
クラスNPに属する問題の中で一番難しい問題は
「その問題を1個解けば、クラスNPに属する他の問題もみんな解けてしまう」
という性質を持つ「NP完全問題」と呼ばれる特別な問題群.
もしもNP完全問題のうち,どれか1個でもクラスPに属することを証明できれば
その時点で,クラスNPの全ての問題がクラスPに属することになる.
つまりP=NPを証明したことになる.
だから,今回のP≠NPの証明が正しければ,その時点で
「NP完全問題は,どれ一つとっても絶対にクラスPに含まれない」ということまで言える.
一方,RSA暗号の安全性は「素因数分解問題が難しい」という仮定を根拠にしている
(厳密に言うと,もうちょっと易しい問題の困難さを根拠にしている)
この素因数分解問題は,確かにクラスNPには分類されるものの
おそらくNP完全問題にはならないだろうと予想されている
(つまりNPの中ではそれほど難しくない問題だろうと予想されている)
なので,P≠NPが証明されたとしても,素因数分解問題がクラスPに含まれないかどうかはまだ不明.
つまりRSA暗号が本当に安全かどうかもまだ不明.