ホンダ・インサイトとは一体何だったのか
ホンダが、ハイブリッド車(HV)の品ぞろえ拡充を急いでいる。来年にかけて同社を代表する
車種のHVを複数投入し、ミニバンなどでの開発も加速させる。電気自動車(EV)と
プラグインハイブリッド車(PHV)の2012年投入で次世代車に布石を打つ一方で、
これまでのHVを核にした環境車戦略を推し進める。トヨタ自動車なども新型HVを予定しており、
HVを“主戦場”とした熾烈(しれつ)な競争が続きそうだ。
プリウス超え挑戦
「残念ながら、値段と性能を合わせた価値で『プリウス』の方が上だった。その結果だ」
ホンダの近藤広一副社長は7月の会見で、同社のHV「インサイト」の販売台数が、トヨタの
プリウスに引き離されている現状について問われ“敗北宣言”した。日本自動車販売協会
連合会によると、今年1〜7月の累計はプリウス約20万台に対し、インサイトは2万6000台。
189万円からという低価格を武器に、同じ09年に発売された3代目プリウスとの
勝負がクルマ好きだけでなく、多くの消費者の注目を集めた。それだけに、近藤副社長の
敗北宣言は、ホンダ社内で重く受け止められた。
もっとも、これでHVをめぐる競争に決着が着いたわけではない。あるトヨタ役員は「ホンダは
いつまでも負けている会社じゃない。必ず巻き返してくる」と警戒する。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100810/bsa1008100503000-n1.htm