元サムスン電子常務・吉川良三氏「日本がものづくりで韓国に負ける理由」

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42 宗教家(大阪府)
 私が2004年に帰国した当時、日本は「ものづくりの技術は韓国や中国にキャッチアップされているんじゃないか」
という自信喪失に覆われていました。当時はパナソニックやシャープといった電機メーカー、
特に携帯電話をつくっているところが韓国勢に滅茶苦茶にやられていましたから。
で、とにかく皆、自信をなくしていた。いつも下向きで、もう自信をなくしたというより、やる気を失ってしまっているという印象さえ受けました。

 しかし技術そのものはキャッチアップされていなかったんです。

製品はキャッチアップされていましたが、日本の技術はそれ程やわなものじゃありません。
ただ、技術がキャッチアップされたわけでもないのに製品がキャッチアップされたというのも不思議な話ですよね。
自信を喪失する必要はまったくないのですが、日本人というのは自信をなくすととことんうなだれる習性がある。

 それから、「日本のものづくりがグローバリゼーションの環境変化に立ち遅れているのではないか」という話がありました。
日本企業の経営者もグローバリゼーションとは言いますが、本当の意味はまったく分かっていない。
私はあちこちで質問しました。「つい5〜6年前は国際化と言っていたじゃないか。国際化とグローバリゼーションはどう違うんですか?」と。
皆さんも考えてみてください。「英語と日本語の違いだ」なんて言う人もいました。
そんなことはないですよね。国際化はinternationalizationですから。
いちばん多かったのは「最近の流行語」という答えです。

日本の経営者の考えはこの程度なんですよ。

これでは日本が危ない。その程度のままなら本当に世界から相手にされません。
日本はグローバリゼーションと国際化が大きく違い、現在の産業構造が大きく変わっていることも理解しなければいけない。
昔の産業革命とは言わなくとも、それに匹敵するぐらいの大きな変化が起こっているんです。
そのキーワードがグローバリゼーションなんですね。
日本はそれに立ち遅れていました。