ブリ、カンパチに次ぐ刺し身用の養殖魚として最近、ベトナム産の「スギ」という魚が東京・
築地市場(中央区)で頭角を現してきた。脂が乗り、こりっとした歯応えが特長で、
同市場卸や輸入商社はさまざまな料理に合うとPRしている。
スギはスズキ目スギ科の魚で、比較的暖かい海で育つ。ナマズに似た顔つきで
、5キロ以上に成長する。
養殖スギを生産するマリンファームベトナム社は、「いけす内の過密な養殖を避け
、最適な環境で育てている」(カルロス・マッサード代表)と胸を張る。日本市場に定
着しているノルウェーサーモンの養殖手法を活用し、質の高い魚を生産しているといい、
近年、米国などで大量に消費されている。
今年から同社のスギを扱っている築地市場の卸、第一水産は「味が近いカンパチの相場が
高くなっているだけに、まずまずの売れ行き」と話す。和食のほか「脂は乗っているが、
比較的あっさりしているため、フライなどの洋食や中華の炒めものなど、いろいろな料理に合う」と太鼓判を押す。
一方、輸入商社のオーシャン貿易(京都市)は「ブリやカンパチのように、スギが定番
の養殖魚になれるよう今後も築地市場などを通じて売り込んでいきたい」と話している。
今年50トン前後とされる輸入量を、2年後には10倍の500トンに増やす計画だ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010073100106