日テレ記者ら2人の死亡確認

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625 議員(埼玉県)
2010年8月1日、ヘリコプター墜落現場へ取材に出かけた日本テレビスタッフ2名が埼玉県内で遭難し、遺体で発見されるという事故があった。
三次災害を防止するため、警察が入山自粛を申し入れた最中に起きた前代未聞の出来事。
その裏には壮絶なドラマがあった。

その日は朝から天候不順だった。
「ここから先は危険だ。引き返そう」 ベテラン山岳ガイドはそう言った。
「分かった、一旦戻ろう」
3人は山道脇の駐車場まで戻ってきた。
その時だった。
記者の携帯電話がけたたましく鳴った。
「ヘリの残骸映像は撮れたのか」
記者がまだです、と答えると電話の向こうの男は激高した。
「それじゃ放送に間に合わない。番組に穴を空ける気か」
数分間、一方的に怒鳴り続けたあと電話は切れた。
「俺たちはもう一度山へ入る」
「死ぬ気か。夏の山を甘く見てはいけない」
ガイドは必死で説得を試みた。
「心配しないでくれ。帰ったら一緒に酒を飲もう」
そう言い残し、彼ら二人はTシャツとジャージ姿という軽装のまま木立の中へ消えていった。