大相撲名古屋場所千秋楽、NHKの放送権料を辞退 再生へ第一歩
野球賭博問題でNHKの生中継がなくなるなど異例ずくめとなった大相撲名古屋場所が25日、千秋楽を迎えた。
日本相撲協会は今場所の放送権料をNHKから受け取らないことを決定。「満員御礼」は千秋楽も含めてわずか4日で、
海外でも多くのファンを抱える大相撲の再生に向けた道程は緒に就いたばかりだ。
初の生中継中止に踏み切ったNHKが午後6時台に行ったダイジェスト放送は、安定した視聴率を維持した。視聴者からも「肯定的な
意見が多い」(NHK幹部)といい、局内からは安(あん)堵(ど)の声も上がっている。
ビデオリサーチの調べ(関東地区)によると、放送初日の番組平均世帯視聴率は12・4%で、22日までは10・9〜7・2%で推移。
生中継があった5月の夏場所平均は10・4%で、最高は千秋楽の13・8%。ダイジェストの数字からは、視聴者離れを招いていないことがうかがえる。
一方、相撲協会は千秋楽の25日、愛知県体育館で開いた臨時理事会で、今場所の生中継を中止したNHKから支払われる放送権料を辞退することを決定。
NHKは「申し入れをお受けすることにした」とのコメントを出した。秋場所の生中継については未定としている。
生中継の再開に期待も
NHKの生中継が中止された影響は、海外にも及んだ。多数の出身力士がいるモンゴルや、朝鮮相撲が盛んな韓国では、中止の事態を
メディアが報道。150万人の日系人が暮らすブラジルでは日本と12時間前後の時差があるため、早朝の時間帯となる生中継観戦が
生活習慣の一部ともなり、取組結果が朝のあいさつ代わりにまでなっていただけに、落胆の色も濃かったようだ。
邦字紙のニッケイ新聞の深沢正雪編集長(44)は「生中継を楽しみにしているお年寄りはたくさんおり非常に残念」。別の邦字紙の
サンパウロ新聞の鈴木雅夫編集局長(59)も「何でやってくれないのかという日系人が大勢だった。再開を期待する声は大きい」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100725/crm1007252132009-n1.htm