元記者の人、集まれ。記者生活の終わりは突然だったよね。
http://www.asahi.com/national/update/0717/NGY201007170017.html 「また書きたい」 休刊紙の元記者らのネットワーク
28年余りの記者生活の終わりは突然だった。
長坂英生さん(52)は、「名(めい)タイ」の愛称で親しまれた夕刊紙「名古屋タイ
ムズ」の元社会部デスク。同紙は2008年10月に広告収入の落ち込みなどが原因で休
刊した。「想像もしていなかった」と思い返す。
休刊が決まって再就職先を探す中、マスコミ志望の学生が学ぶ専門学校に、講師の口を
問い合わせた。電話を取ったのが沢村慎太郎さん(42)だ。ブロック経済紙の記者など
を経て、05年に滋賀県で創刊した日刊紙「みんなの滋賀新聞」に移ったが、わずか4カ
月で休刊。地元の名古屋に戻り、専門学校で講師をしていた。
「また書きたい」という思いを捨てきれず、意気投合した2人が呼びかけ人になり、今
年3月に記者ネットを発足させた。すぐに他の名タイの元記者やフリージャーナリスト約
20人が集まった。
記者ネットは、いわば「緩やかな互助組織」。当面は記者ネットが窓口になって仕事を
請け負い、メンバーに振り分ける編集プロダクションのような形を目指す。
3月末で専門学校の講師を辞めてフリーライターになった沢村さんが代表に就いた。「書
く場を失った記者は同じような壁にぶつかる。フリーで身を立てようと志す者同士の助け
合いの場になれば」
沢村さんはラジオ局のニュース部門のアルバイトで、今は定期収入を何とか得ている。
長坂さんも愛知県が失業者向けの緊急雇用対策で打ち出した事業で食いつなぐ。観光地を
取材してブログで紹介する仕事だ。
沢村さんは「軌道に乗るまではメンバーも今の仕事と掛け持ちだが、それぞれの得意分
野を生かしてブログなどでも情報を発信して、記者ネットの存在を売り込んでいきたい」
と語る。