信州の伝統野菜で新料理 松本の飲食店組合が考案
松本市内の約400店でつくる松本飲食店組合が、信州の伝統野菜を使った料理を考案す
る事業を始めた。漬物などで使われることの多い伝統野菜だが、新しい料理法を提案して
魅力を伝え、消費拡大につなげる狙い。既に組合員の有志が生産現場を訪ねて伝統野菜
の特徴を学び始めており、開発した料理を組合加盟店で提供し、レシピをまとめた本も作る
方針だ。
県園芸畜産課によると、信州の伝統野菜は「昭和30年代以前から栽培されている品種」な
どを条件に、計57種類が選定されている。地域固有の食文化として普及を推し進めている
が、高齢化による生産者減といった課題もある。
自らも市内で飲食店を営む藤井国広組合長(67)が「食材として使いたい伝統野菜があって
も、流通量が少なく手に入りにくい状況」に疑問を抱いたのがきっかけ。飲食業界の立場か
ら伝統野菜の流通拡大に役立つ活動をしようと、県の地域発元気づくり支援金を受けて事業
化した。
年末までに組合員有志が各地の伝統野菜の生産地を訪れて農家と交流し、食材を確保す
るルートを調べたり、組合員が協力して料理法を研究したりする。
下伊那郡下条村睦沢を訪ねた藤井組合長ら有志は、伝統野菜「親田(おやだ)辛味大根」の
生産者から「水分が少なく、甘辛くて薬味で使われる」といった食材の特徴や生産量の説明
を受けた。「伝統野菜を盛り上げるため、新しい使い方を研究させてもらいたい」(藤井組合
長)と話した。
http://www.shinmai.co.jp/news/20100715/KT100714SJI090002000022.htm