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152 詩人(京都府)
精読に値する本とは


京都・読書之森:人間とは何か /京都

編者は世界のチンパンジー研究をリードしてきた京都大霊長類研究所の所長。チンパンジー研究を通じて「人間とは何か」を考えるのが本書の狙いだ。

 同研究所で00年に3組のチンパンジーの親子が誕生した。10年がたち、赤ん坊だった彼らは大人へと成長した。この間の研究成果をまとめたのが本書である。

 「チンパンジーは『ちんぱんじん』」と題された章で始まる第1部は、編者による「人間とは何か」のまとめ。第2部は「ちびっこチンパンジー」のタイトルで、
子供チンパンジーを中心とした観察記録を雑誌『科学』(岩波書店)に連載したものを再録した。第3部は日本での霊長類学誕生から60年と同研究所創立40周年を記念した『科学』の特集を収録した。

 読んでいて、はっとさせられるフレーズが多い。「人類はまだ誰も、たった1人のチンパンジーの誕生から死までさえ見届けていない」「あおむけの姿勢が人間を進化させた」「教えない教育・見習う学習」「チンパンジーはけっして絶望しない」−−などだ。

 示唆に富む言葉を読むと、チンパンジーが人間に、人間がチンパンジーに見えてくるから面白い。【広瀬登】

http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20100711ddlk26070352000c.html


たてて