「今回の選挙から男性票を1票、女性票を0.9票とカウントします」
一票の格差が存在することは報道などを通じて大勢の人が知っていると思います
。しかし、それが具体的にどう問題なのか、簡単に説明できる人は少ないのではいでしょうか。
僕もその一人でした。最近、民主主義の根幹にかかわる重要な問題だと知り、
これは見過ごすことができないなと思うようになりました。一票の格差を自分の問
題としてとらえるきっかけになったのが冒頭の一文です。ある日突然
「今回の選挙から男性票を1票、女性票を0.9票とします」と言われたら、あなたはどんな感想をもちますか?
この選挙制度になると、たとえ女性票を全部獲得しても過半数は取れません。
各政党は過半数をとるべく、男性優位な政策を次々に打ち出すでしょう。逆に、
多くの女性たちは「法の下の平等」に基づいて、選挙は無効と主張するに違いあ
りません。世の中がどんどん混乱し、歪んでいくのがご想像いただけると思います。
あるいはこういうのはどうでしょう。「沖縄県民の方には県土の10%以上も
米軍基地になるなど数々のご負担をいただいている。一方東京は横田基地とか
六本木のヘリポートとか限定的だ。なので東京は1票、沖縄は2票とします」。
日本の重要な安保政策が、どんどん歪められていく恐怖を感じないでしょうか。
ところが、今回の参議院選挙は、実際のところ、そうなっているのです。
東京都民は一人当たり0.23票しか持っていないのに対し、沖縄県民は一人当たり
0.46票持っています。ちょうど倍です。沖縄県民の1票は東京都民の2票に相当
します。
ちなみに一人一票持っているのは鳥取県民だけです。実に東京都民の4倍の
票を持っています。なので、東京都で3人の有権者を獲得するより、
鳥取県で1人の有権者を獲得するほうが、効果が良いです。あなたが政治家なら、
どういう政策を訴えますか。鳥取県に道路を敷く政策を考えませんか?
http://opinion.infoseek.co.jp/article/938