首都直下地震なら「財政破綻確率」3.5倍 内閣府試算 成長率1.9%下げ 「基金積み立て必要」2010/7/9 19:17
首都直下地震で成長率は1.9%押し下げ――。
内閣府の経済社会総合研究所は9日、首都直下地震が発生した場合、日本経済に与える影響を試算した。
仮に2015年に地震が起きると、実質国内総生産(GDP)成長率は1.9%押し下げられるが、
その後は復興需要の影響で通常より高い経済成長を示すとの予測だ。
一方で政府債務が拡大し、財政の“破綻確率”は平時の3.5倍に跳ね上がるとの結果になった。
一橋大の佐藤主光教授と世界平和研究所の小黒一正主任研究員が試算した。
中央防災会議の資料を参考に、首都直下地震で死者は1万1千人に達し、GDPは39兆円を損失すると想定した。
その結果、15年にGDPは落ち込むものの、その大きさはリーマン・ショックの落ち込み(09年の経済成長率マイナス5.2%)に
比べれば限られるという。
日本の経済成長率はそもそも1%前後と小さいため、落ち込みも小幅にとどまる。
国債や地方債などの公債の発行高が民間の貯蓄額1400兆円の9割に達し、国内の資金で政府の借金がまかなえなくなる
状況を「財政破綻」と定義して、地震による影響を想定。
地震がなかった場合の確率は20年に12.2%だが、発生すると43.2%になるという。
研究をまとめた小黒氏は「災害を見越して復興基金を積み立てるなどの政策も重要だ」と指摘している。
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E2EBE2E3988DE2EBE2E5E0E2E3E29797E3E2E2E2