11日に投開票される参院選道選挙区(改選数2)で、候補者2人を擁立した民主党北海道(道連)が、選挙戦の戦略を転換した。民主勢力
を二分する形で「すみ分け」をしていたが、一連の不祥事などで労働組合の動きが鈍いことが理由だ。2議席独占を目指しての方針転換だ
が、陣営からは「身内同士での票の奪い合いになる」との懸念も出始めている。
6月30日夕、札幌市中央区の道連に三井辨雄代表ら幹部が集まり、緊急会議が開かれた。三井氏は「緊急提起」と題された文書を示し、
同意を求めた。会議後、文書は道選出の国会議員や地方議員、議員の後援会に送られた。
今回の道選挙区に民主党は、徳永エリ氏(48)と藤川雅司氏(53)を擁立した。テレビリポーターの徳永氏を道連や国会議員らが支えて
無党派層の支持獲得を目指す一方、自治労出身の藤川氏を連合北海道が支援する、と明確に民主勢力を二分した形の戦術を採っていた。
ところが、自治労北海道や北海道教職員組合(北教組)は、昨年の衆院選をめぐる違法献金事件で幹部の有罪が確定。「選挙と組合」「政
治とカネ」をめぐる事件に、組織が萎縮(いしゅく)し、参院選に向けての動きが鈍った。国会議員秘書の一人は「議員の後援会員や後援企業
にすら足を運べていない」と嘆く。
道連幹部は「敵は自民党。無党派層の支持を自民党からはがす」と意気込む。だが、藤川・徳永両氏の陣営幹部は、抱える思惑は異なりな
がらも、見方は一致している。
「『連合対民主党の戦い』の様相になってしまうと選挙戦は失敗だ」
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