石油連盟の天坊昭彦会長は21日の定例記者会見で、メキシコ湾沖で英メジャー
(国際石油資本)BPが操業する海底油田からの大規模原油流出事故に対応し、
原油汚染の封じ込めや油の回収機能を持つオイルフェンスを貸し出す検討に着手したことを明らかにした。
事故後にBPのアジア・太平洋本部(シンガポール)から協力の打診を受け、
オイルフェンスの輸送手段などを詰めているという。
石油連盟は政府の支援を受けて、国内外で総延長30キロメートル強の
オイルフェンスを備蓄し、世界でも米国に次ぐ規模を備える。
現在国内には6カ所の機材備蓄基地があるが、メキシコ湾の原油流出事故が
深刻な環境被害を起こす中でこれを教訓に、7月に北海道稚内市に7カ所目の
基地を設置する。サハリン沖から日本向けに天然ガスを輸送する「
サハリンII」プロジェクトの緊急時に対応するのが狙いだ。
米国は、今回の事故を契機に、海底油田の掘削解禁を延期している。
天坊会長は原因究明が長期化した場合、「新たな鉱区の掘削には相当影響が出る」と指摘。
今後の原油生産への懸念を表明した。同時に、中長期的には「原油価格の上昇要因になる
」との見通しを示した。5月に急落した原油価格は、足下では反発している。
「原油価格は70ドル〜80ドルの間で推移する」とみており、今後も一進一退ながらも高止まりを予想している。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100621/fnc1006211707013-n1.htm