防災:明日に備える 水害一時避難施設、ボートレース尼崎 /兵庫
◇津波に耐える、通路−−ホームセンターなども指定
年間180レースを開催し、多くの競艇ファンが集うボートレース尼崎
(旧尼崎競艇場、同市水明町)。すぐ南側には阪神本線尼崎センタープール前駅があり、
人通りが絶えることはない。一見、防災とは無縁の競艇場だが、一部の施設が津波や台風などの
水害があった際の一時避難場所として、07年に尼崎市の指定を受けた。【衛藤達生】
同市は市域全体の約40%が海抜0メートル地帯で、過去にジェーン台風(1950年)などで度々、
高潮の被害を受けてきた。また30年以内に50〜60%の確率で発生するといわれる東南海地震や
南海地震では、発生後約110分で津波の第一波が到達し、波の高さは平均海面から最高約
3メートルにも達すると想定されている。同市などの沿岸部には全長約50キロの防潮堤が設け
られているが、万が一、市内への浸水が起きた場合などを想定して、競艇場など4カ所を「津波時等一時避難場所」として指定している。
競艇場で指定を受けているのは、ファン通路と呼ばれる同駅から競艇場を結ぶ全長約
210メートルの空中通路。高さは3・45メートル〜6・25メートルあり、津波にも十分耐
えられる。1200平方メートルの広さを誇り、約600人の収容が可能という。このほかにも
メインスタンド脇にある旧舟券販売所の2階部分(352平方メートル)も指定されており、
約170人の収容が可能となっている。
競艇場を管理する市公営事業所施設整備担当課長の堀隆茂さん(54)によると、競艇場には
警備員が24時間常駐しており、レース開催日以外でも避難が必要になると、
正門など3カ所の入り口を開けるようになっているという。また、普段から地元住民と自治会な
どを通じてコミュニケーションを取っており、避難場所としても活用できるよう、周知に努めているという。
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20100620ddlk28040206000c.html