昨年3月の火災で全焼した尼崎市椎堂の「ショッピングセンター園和」の跡地が市内の住宅販売会社に
一括売却されたことがわかった。火災後、更地になった跡地は年内にも住宅地として造成される予定で、
地域住民らは「街の活性化に向け、ようやく一区切りが付いた」と話している。
跡地は約2800平方メートル。同社は今後、24区画に分けて住宅を建設。道路も整備し、
年内にも分譲するという。
火災は昨年3月8日夜に発生。木造2階建ての店舗など49軒延べ約5000平方メートルが全焼した。
22世帯49人が一時、近くの町会会館に避難、県営住宅や親類の家などに転居を余儀なくされた。
市場は1962年に開設されたが、運営する協同組合は95年に解散、火災当時は空き家が目立った。
昨年5月から建物が解体され、更地に。同10月から土地の所有者が話し合い、
一括売却の方向で合意、売却先を探してきた。今年4月に正式に同社と契約を結んだ。
火災で事務所が全焼した同市内の建設会社社長須ノ内啓次さん(55)は、所有者の意見
をまとめるのに奔走。「高齢者が多く、早く心配をなくしたかったので、ほっとしている。
新しい住宅が建ち、街に活気が戻ればうれしい」と話した。
北園田福祉協議会の太田信男会長(70)は「市場時代に住民同士が団結していたから、
ここまで来られた。これで地域も落ち着くと思う」と振り返った。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20100623-OYT8T00047.htm