参院選の期日前投票が25日、兵庫県内の各市町で始まった。投票日に仕事やレジャーで投票所に
行けない有権者が対象で、手軽さから利用者は増え続けている。今回も増加が予想されるが、簡単な
手続きを逆手に取り、他人に成り済まして投票する詐偽投票も後を絶たず、県警は警戒を強めている。
期日前投票は2003年にスタート。国政選挙で初めてとなった04年7月の参院選では、県内で約30
万2千人が利用。昨年の衆院選は約60万5千人が利用し、5年間で2倍に増えた。
一方、制度を悪用した事件も相次ぐ。05年の衆院選では、神戸市の会社員の男が、同市内の別の
男性に成り済まし期日前投票したとして公選法違反(詐偽投票)容疑で逮捕された。県警によると、男
は男性と面識がなかったが、知人に教えられた男性の名前や住所、生年月日を本人確認のための
「宣誓書」に記入し、投票していた。
07年統一地方選の期日前投票では、同市の男2人が共謀し、かつて同居していた知人男性に成り
済まし投票。知人男性が住民票を移しておらず、郵送されてきた投票所入場券を悪用していた。昨年
の衆院選では新潟県で、母親が娘の入場券を使い投票しようとする事件も起きた。
不正の原因の一つは本人確認の甘さ。期日前投票所では宣誓書を記し提出するが、身分証の提示
を求められることは基本的になく、入場券も必要ない。また、期日前投票所は役所内に設けられるため、
投票日の投票所と違って、地域をよく知る立会人が少ないことも背景に考えられるという。
神戸市選管は「身分証提示に抵抗がある有権者もいる。代わりに口頭でも誕生月を尋ねている」と
するが、「受け答えが完ぺきだと成り済ましを見抜くのは困難」と認める。
07年統一地方選では、住所を耳打ちする容疑者を巡回中の警察官が目撃、摘発につながった。県
警は「注目度が高い重要な選挙。厳しく取り締まっていく」としている。
(2010/06/26 12:01)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003134099.shtml [スレ立て依頼所209]