黒くて熱伝導の低いアルミ開発
「黒いアルミ」特許取得 富山大工学部・松田教授ら 熱伝導低い新素材
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/T20100626201.jpg 特許を取得した炭化ケイ素を混ぜ込んだアルミの新素材(右2つ)。左手前は筒型にして着色したもの。左奥は従来のアルミ素材
富大大学院理工学研究部(工学)の松田健二教授(材料組織制御)らの研究グループは25日までに、炭化ケイ素の粒子を混ぜ込んだ
アルミの新素材で特許を取得した。アルミ容器の販売メーカー、砺波商店(高岡市)の依頼を受けて熱伝導しにくく、傷の目立たない
黒い素材を開発、実用化を目指す。
砺波商店はタクミ(TKM)印のアルミ業務用食器を製造販売している。アルミ製の食器は軽くて丈夫だが、熱いスープなどを入れると
口を付けられないほど熱くなる。また、表面に傷が付くと塗料が取れて銀色のアルミ素地が現れる。砺波商店は以上の2点を改善した
新素材の開発を松田教授に依頼していた。
松田教授は軽いアルミをベースにアルミと炭化ケイ素の粒子を6対4の割合で交ぜ合わせ、新素材を試作した。この素材で容器を作り、
熱した液体を入れるとアルミよりも熱伝導は低く、容器の内側と外側で約10度の温度差ができた。表面が傷付いても素材そのものが
黒っぽいため、傷が目立たず、漆器風の容器に適している。
松田教授は「アルミ素材はプレス加工できるので製造コストは低く抑えられる。ぜひ、商品化してほしい」としている。
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