ゴミ拾いする→つばを吐かれる→それでもする→10万人運動に…就職し本まで出版

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1 アユモドキ(大阪府)

新宿でたった一人のゴミ拾い…10万人運動に

3年半前、東京・新宿でたった一人で始めたゴミ拾いが全国10万人の活動に広がった24歳の若者に、
中学や高校から講演依頼が相次いでいる。テーマは「一歩を踏み出す勇気」。
訪問は延べ300校に上り、今秋にはその挑戦を童話にした絵本が出版される。

「汚物やネズミの死体、量も予想以上だった。でも何よりきつかったのが周りの視線。
目の前で吸い殻を捨てられたり、つばを吐きかけられたこともあった」

3年生になっても就職活動にやる気も出ない。このままではだめになる。何とかして自分を変えたいと思った。
思いついたのが「日本一汚い場所をきれいにする」こと。06年11月、新宿駅東口広場で毎朝午前6時からゴミ拾いを
始めた。最初は嫌がらせを受けたり、冷たい視線を浴びたりして、帰り道、人目もはばからず泣いたこともある。

それでも、徐々に支援が広がっていった。まずはホームレスの男性が一緒にゴミを集めてくれるようになった。
1か月後には、当初、荒川さんに言いがかりをつけて殴りつけてきた男が、「きれいにしてくれてありがとう」と声をかけてきた。

手伝ってくれる人は3か月後には50人に増えた。07年、5月3日を「護美(ごみ)の日」としてインターネットなどで
呼び掛けると、全国で444人がそれぞれの地域でゴミ拾いをしてくれた。翌年の5月3日には1500人に。
09年3月に就職が決まって以降、毎朝のゴミ拾いはできなくなったが、5月3日の運動はその後も続き、
09年は1万5534人、今年は10万3036人に膨らんだ。

「ダメな僕が、小さなことを積み重ねたら人生が楽しくなった。大切なことは一歩を踏み出す勇気」。
荒川さんはそう話を結んだ。

http://www.yomiuri.co.jp/photo/20100621-941065-1-L.jpg
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100621-OYT1T00639.htm