沖縄とハワイで、ITを活用した次世代送電網「スマートグリッド」の共同実験が来年度から始まる。
2009年11月の日米首脳会談で決まった環境・エネルギー分野の技術協力の一環で、温暖化対策を推進するとともに、
関連ビジネスの競争力を強化する。来週にも、直嶋正行経済産業相と仲井真弘多知事、米政府、ハワイ州知事が協力の覚書を交わす。
資源エネルギー政策の見直しを進める国は、再生可能エネルギーの導入拡大やスマートグリッド、スマートコミュニティーの実現などを
新エネルギー基本計画に盛り込む予定。
沖縄とハワイは島しょ地域で、電力は原油、石炭など化石燃料の火力発電に頼っている。
化石燃料の需給は中長期的に逼迫(ひっぱく)することが見込まれる。太陽光など再生可能エネルギーを活用した発電の有効性を模索することで、
エネルギー自給率の向上や温室効果ガスの削減効果が期待されている。
太陽光発電は、天候によって電力出力が変動するため、ITを使った次世代送電網「スマートグリッド」で安定出力の可能性を実験する。
太陽光や風力の電力を電池に蓄え、電力消費量が増大する時間に蓄電池からの送電を増やすなど、効率的な電力供給を実現する。
海水の温度差を利用した発電や、電気自動車導入、太陽光発電などで電力をまかなうスマートビルなども検討する。
共同の取り組みを進めて先行する欧州連合に対抗し、関連機器などの国際規格づくりを主導する。
日米の協力強化の合意で、両政府と沖縄、ハワイの4者が互いの知見や経験を共有する組織の設置を決めている。
今後、合同調査団を沖縄、ハワイに送り具体的な内容を詰め、来年度から実験を始める。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-06-12_7176/