アフガニスタン南部ヘルマンド州の行政当局者は10日、地元の7歳男児が政府のためのスパイ活動を行っていたとして反政府
武装勢力が男児を処刑したことを明らかにした。
同州知事の報道担当者が明らかにしたもので、処刑はサンギン地区で8日起きた。武装勢力は過去にも、政府のスパイとの疑いで
似たような処刑を繰り返してきたとし、3年前にはムサカラ地区で70歳の女性と子供を殺害したという。
報道担当者は、処刑を行ったのは2001年末の米英軍事作戦で政権を追われたイスラム武装勢力タリバーンとみられると述べた。
タリバーンはアフガン南部に主要な拠点を築く。
アフガニスタンのカルザイ大統領は10日の記者会見で7歳児処刑の事件に触れ、当局が調査を開始したとし、仮に犯行が事実なら
人道に対する犯罪であると指弾。「7歳児がスパイであるわけがない」とも非難した。記者会見にはアフガンを電撃訪問したキャメロン
英首相も同席し、処刑が本当ならタリバーンについての新たな残忍な側面を物語るものだと批判した。
アフガン駐留米軍は今年2月、ヘルマンド州マルジャで大規模なタリバーン掃討作戦に踏み切り、同地をほぼ平定したとされる。
オバマ大統領が昨年12月、3万人の米軍増派を決めて以降、初の本格的なタリバーン掃討作戦だった。
駐留米軍や北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)はまた、南部カンダハル州での大規模作戦を今夏に
計画、開始時期は近いともされる。米軍などによる南部での攻勢を受け、タリバーンの爆弾テロも増えており、カンダハル市近くの村落
では9日夜、結婚式を標的にした爆弾テロが発生、同国内務省によると40人が死亡、74人が負傷した。自爆攻撃と判明している。
タリバーンは同日、この事件への関与を否定した。
ソース(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201006100028.html?ref=ng