宇都宮市本町のウエディングドレスデザイナー・坂本愛里さん(28)が、幼友達の結婚を祝福するため、
生産量日本一を誇る県特産の「とちおとめ」で染めたウエディングドレスを製作した。
規格外イチゴを活用しようという取り組みの一環でもあり、淡いピンク色のドレスは、19日に行われる挙式で初披露される。
坂本さんは、「世界で一つのドレスで祝福してあげたい」と目を輝かせている。
昨年11月に県内のイチゴ農家を視察した坂本さんは、型くずれをしたイチゴが破棄されることを知った。
自分の得意分野であるドレスのデザインでいかせないかと考え、染色に挑戦した。
1粒1粒イチゴのヘタを取ってミキサーにかけ、何度もこした。
液状のイチゴを鍋で過熱し、布をつけて手もみして染める。
少しでもイチゴがつぶ状に残っているとムラが出てしまうため、均一になるようにしっかりとこすことがポイントで、色落ち防止のため、米酢で色を定着させた。
第一号は今月に結婚する幼友達で、同市鶴田町の福田真弓さん(28)へ。
昨年の同窓会で再会した際に結婚することを告げられ、ドレスの注文を受けた。
製作にあたっては、益子町七井のイチゴ農家向田直純さん(29)が「胸を痛めながら廃棄しているイチゴを花嫁のために使ってもらえるならば」と協力。
福田さんと一緒に「とちおとめ」のほか、皮が柔らかい「とちひめ」を計6キロを摘んだ。
ドレスはシルクを使い、白のレースを入れてピンク色を映えさせた。
福田さんは、「今まで聞いたこともないドレスで、本当に特別な一着」と、挙式を心待ちにしている。
イチゴ以外の果実でも挑戦する予定で、坂本さんは、「地域資源を生かし、栃木の魅力を発信していきたい」と意気込んでいる。
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