ドイツ 大統領の失言辞任
ドイツのホルスト・ケーラー大統領(67)が31日、ドイツ軍の海外派遣に関する失言をめぐり突然辞任したことで、
ユーロ危機対策の手際の悪さで支持率が急落しているメルケル政権は、さらなる威信低下に悩む結果となった。
連立与党は6月30日までに後任大統領を人選する。
◇30日までに後任選出
基本法が大統領選出機関と定める「連邦会議」は、過半数が与党で占められる見通し。
一方で野党は党派を超えて賛同できる人物の選出を求めている。
辞任の引き金になったのは、ケーラー大統領がアフガンの独軍を電撃訪問した帰途、
公共ラジオに答えた5月22日のインタビュー。大統領は軍派遣について議論を尽くすべきだと促したのに続いて、
貿易に依存するドイツは国益を守るため軍派遣が必要になることがあるなどと述べた。
連邦議会は、国連安保理決議など国際的合意を根拠に軍の海外派遣を決議してきた経緯がある。
大統領府は後の声明で「独軍は国連の任務に従ってアフガンで戦っている」と発言を修正したが、
独メディアは「大統領は、唯一の権力手段である言語を意のままにできていないことをさらけ出した」
(シュピーゲル誌)などと批判した。
大統領の任期中の辞任は、1969年に2代目のリュプケ大統領がナチスへの協力を批判されたのをきっかけに辞職して以来。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100601-00000022-maip-int