郵政改革法案、「改革の流れに逆行」 全銀協など声明
全国銀行協会(全銀協)や全国信用金庫協会(全信協)など民間金融機関8団体は都内で共同記者会見を開き、
4月30日に閣議決定した郵政改革法案に反対する共同声明を発表した。
全銀協の奥正之会長(三井住友銀行頭取)は法案について、
「改革の本来の流れに逆行する」と指摘。他の業界団体首脳からもゆうちょ銀行の業容拡大を懸念する声が相次いだ。
このほか声明に加わった団体は全国地方銀行協会、信託協会、第二地方銀行協会、
全国信用組合中央協会(全信中協)、JAバンク、JFマリンバンク。
奥会長は共同声明を発表した理由について、「各業態の金融機関の思いを一つにして訴えていくのが必要だと考えた」と語った。
集まった各首脳のうち、特にゆうちょ銀行の業務範囲拡大に強い反対姿勢を示したのが信用金庫や信用組合、
農協などの各団体首脳ら。都心部に比べ、地方や過疎地で郵便局との激しい競合にさらされている背景があり、
郵貯の預入限度額引き上げによる預金・顧客の流出やゆうちょ銀の貸出業務進出に強い懸念を表明した。
全信協の大前孝治会長は預入限度額引き上げで集めた資金が貸出業務に回る可能性について述べ、
「長年築き上げた地域の安定的な金融システムが損なわれる」と指摘。
全信中協の中津川正裕会長は「信組は高齢者との取引が多く、資金を移す動きが起こってくると思う」と述べた。
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