アルコール規制求める指針案採択へ WHO総会
【パリ=稲田信司】アルコールの販売や広告の規制を求める指針案が19日、ジュネーブで開かれている世界保健機関(WHO)の総会で採択される見通しだ。
条約のような法的拘束力は持たず、その実行は加盟国の自主性に委ねられているが、いき過ぎた飲酒がまねく「酒害」への国際的関心が高まりそうだ。
指針案は「アルコールの有害な使用を減らす世界戦略」。酒を飲んだ人の健康被害にとどまらず、交通事故や暴力など社会的影響に着目しているのが特徴だ。
実行に移すための具体策づくりは加盟国が行うが、健康被害の予防と治療など必要な対策を10項目に分けて例示している。
WHO事務局によると、酒害による死者は世界で年250万人。うち32万人は30歳未満の若年層とされる。そのため指針案では、若年層に有効な対策として、
スポーツや芸術と飲酒を結びつけた広告の規制や、酒類に対する課税強化や販売価格の引き上げを検討するよう求めている。
http://www.asahi.com/international/update/0519/TKY201005190286.html