バルカン戦争戦犯容疑者逮捕
引き渡し直前に雲隠れ
1990年代バルカン戦争で、クロアチア市民を殺害したとして戦犯容疑で追及され、
引き渡し直前に失踪したセルビア人がNSW州内で逮捕された。
オーストラリアではダニエル・スネッデンを名乗っていたドラガン・バシリコビッチ=「ドラガン大尉」(55)は、
クロアチアからオーストラリアに対して戦犯容疑者として引き渡し要請があったが、行方が分からなくなっていた。
連邦警察(AFP)がインターポルを通じて世界中に捜査と逮捕を依頼していたが、
ブレンダン・オコナー内務相の発表によると、5月12日、オランダ警察庁の協力を受け、
AFPがNSW州内でドラガンを逮捕した。
ドラガンは、ベオグラード生まれのセルビア人で幼い頃に家族と共にオーストラリアに移民したが、
ユーゴスラビア崩壊に伴い各地で凄惨な民族間戦争が始まると、バルカンに渡り、
1991年から1995年までの間、クロアチア国内のセルビア系住民の多いスルプスカ・クラジナで、
セルビア人民兵組織の司令官を務め、自らクロアチア系住民を殺害し、
また組織の民兵にも住民殺害を命じたとされている。
2009年3月30日、連邦高裁が同人の引き渡しを命じたが、ドラガンは姿をくらましていた。
当初、ドラガンの住んでいたコフス・ハーバー近辺の捜索が行われたが、
足取りがつかめないことがはっきりするとインターポルに逮捕要請が出された。
スネッデンには、クロアチアへの引き渡し差し止めを求める陳述の機会が与えられる。
オコナー大臣の声明では、「このことも考慮し、できる限り早い内に決断する。
それまでスネッデン容疑者は刑務所に収監される」としている。(AAP)
http://www.25today.com/news/2010/05/post_4495.php