”口蹄疫”問題を選挙・政局に利用する自民党 『農家の本当の味方は自民』と盛んにアピール

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 マルソウダ(三重県)

 宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の被害が広がっている問題で、自民党が「初動対応の遅れが感染拡大を
招いた」など政府批判を強めている。連休中に外遊した赤松広隆農相をやり玉に挙げ「政権の危機管理意識の薄さ」を
指摘することで、農政に強い自民をアピールし、参院選での農業票奪還も狙っているようだ。 

 「キューバに行っていたと聞いている。口では食の安全と言うが、その重要性を認識していないと言わざるを得ない」
 自民の大島理森幹事長は11日の会見で、連休中に中南米を歴訪した赤松農相を批判。田野瀬良太郎総務会長は
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題と絡め「大変な問題なのに(政府は)普天間などいろいろなことに気を
取られ、非常に対応が遅い」と憤った。

 谷垣禎一総裁は4月28日に宮崎県を視察。党として、農家の一時金給付や飼料代補てんなど約50項目の要求を
政府に突きつけた。党本部玄関には「参院選対策本部」と並べて「口蹄疫対策本部」の巨大な看板を掲げる熱の入れようだ。
 「鳩山(由紀夫)首相が沖縄を訪問した際も関係閣僚が外遊していた。口蹄疫と普天間は、政治主導が機能していない
現政権の象徴」と党幹部。2007年参院選の自民大敗の一因が農業票離れだっただけに「口蹄疫対策で『農家の本当の
味方は自民』が浸透してくれれば」(九州の自民議員)という思惑もにじむ。

 現地入りが谷垣総裁より約2週間遅れた赤松農相は11日の会見で「風評被害やまん延防止の観点から(視察を)
控えていた」と釈明したが、自民党は終盤国会でも口蹄疫問題を取り上げ、赤松農相を追及する方針だ。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/171059