いつまでも明日が来なくて、記憶持ったまま同じ一日をループし続けるとしたら辛いよな

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1 アカエイ(北海道)

家族って何だろう? その問いかけは、私的なものだった。高校2年生のとき、開発途上国の子供を支援するNGOのリポーターに応募した。
フォトジャーナリストの安田菜津紀(なつき)(23)は、こう振り返る。「国際協力に興味があったわけではなくて、同世代の家族観や人間観が知りたかった」

 カンボジアで、貧困のために人身売買の被害に遭った子供たちを訪ねた。想像を超える現実があった。
彼らの言葉にも驚いた。過酷な状況なのに、みんな最初に家族の安否を口にする。なにより家族のことを思っていた。

 感じたのは無力さ。とにかく事実を伝えよう、と思った。
「医者でもない、お金もない私には何もできることがない。せめて、一人でも多くの人に伝えることかなと」

 その後も東南アジアの貧困問題などを取材。伝達のツールとしてカメラを手にした。
「写真は、まばたき一つの間に人の心をつかむことができる。エネルギーみたいなものが集約されている。性格に合っていると思います」と語る。
主人公は、フィリピンの貧困社会を生き抜く子供たち。「出合い頭には撮らない。コミュニケーションの延長線上で撮影する」という姿勢が、
彼我(ひが)の距離感をぐっと縮めている。タイトルの「明日」は彼らの祈りであり、僕らの願いでもある
http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/100508/art1005080750000-n1.htm