鳥取いのちの電話…ボランティア相談員不足進まぬ引退補充/受講料もネック
電話で悩み相談に乗り、自殺を防ぐ活動を続けている社会福祉法人「鳥取いのちの電話」が、ボランティア相談員の
慢性的な不足に悩んでいる。現在は63人で、ピークの2001年の117人から、ほぼ半減。深刻な相談が相次ぐ一方、
引退するベテランの補充が進まず、電話に対応できない時間帯も発生しているという。
浅井富美子事務局長は「相談に乗ることで救える命がある。ぜひ活動に加わって」と呼びかけている。鳥取いのちの
電話は、1996年に相談員44人の体制でスタート。毎日正午から午後9時まで交代で事務局に詰め、電話2回線
(いずれも0857・21・4343)で相談を受け付けてきた。
2001年までは相談員が年々増えたが、その後は減少。介護など家庭の事情で引退する人がいるのに、新たな担い
手がなかなか見つからない状況だ。相談員になるには、心理学や法律などを1年間かけて学ぶ事務局主催の専門
講座を修了することが必要。講師代やテキスト代に充てる受講料は3万円になり、不況が長引く中、敬遠されがちという。
さらに近年は「相談員の報酬はいくらか」との問い合わせも増加。浅井事務局長は「無償ボランティアに対する関心が
薄れつつあるのでは」と寂しそうだ。相談員不足は、相談の受理件数にも影響。07年の7618件をピークに、09年は
7016件まで減った。相談員の都合が合わず、1人しか詰められない時間帯があるためだ。
事務局は節電に努めるなどし、寄付や助成でやりくりしている運営費を節減して、少しでも受講料を安価にすることを
検討中。また、認知度を上げるため、来年度には講座の半分を一般に公開することも考えているという。
寄せられる相談内容は、家庭や職場での人間関係、経済苦など多岐にわたる。「もう死ぬしかない」「これから飛び
降りる」といった緊急性の高いものも少なくない。
http://osaka.yomiuri.co.jp/volunteer/news/vo100503a.htm