翠星石「っくちゅん!」
俺「翠星石知ってる?この動物世界で唯一の鱗持ったほ乳類なんだって」
翠星石「…っくちゅん!!」
俺「よく似てるけどアルマジロは違うんだなあ。あっちも硬い鎧で防御するよね」
翠星石「……びゃああっくしょん!」
俺「なんだよわざとらしいでかいくしゃみして」
翠星石「うぅ…わざとじゃないのです勝手にくしゃみが出るです…これがきっと噂に聞く花粉症ってやつですぅ…」
俺「花粉症って翠星石が?お人形なのに?」
翠星石「それがもう…翠星石は従来のお人形の枠を超えた繊細でデリケートな人形ですので…。
他の姉妹はどうか知らないですけど翠星石はなっちまうのです…」
俺「長いこと一緒に居るけど初耳だなあ。その条件で翠星石がなるなら他のみんなもなってないとおかしいし」
翠星石「…どういう意味ですか」
俺「い、いや特に深い意味は…。まあなったもんは仕方ないね。頑張ってね」
翠星石「何を頑張れと言うですか。花粉症ケアのお手伝いしてくれないともう無理です耐えられないです…」
俺「ケアって言われてもマスクするくらいしか思い付かないけど、もう夜なのにマスクしても…。
というか昼間そんな素振り全くなかったけど」
翠星石「い、いや心配させちゃいけないと我慢してたのです…。その我慢ももう限界です堪忍袋の緒が切れかけです…うぅ…」
俺「花粉で堪忍袋の緒が切れるのは面倒だな」
翠星石「と言うことで花粉症には目薬です目薬。目が色々ヤバイです。苦手なのでヤスヒロ差せです」
俺「別にいいけど、翠星石目薬持ってるの?」
翠星石「ヤスヒロが使ってるのあるじゃないですか」
俺「目薬は使い回ししちゃいけないんだよ。う〜ん」
翠星石「じゃ水でも何でも良いですよ」
俺「繊細でデリケートって言う割にいい加減だな。…あ、そういや使ってないのがあったよ。それでいい?」
翠星石「良いですよ」
俺「あったあった。ほら翠星石こっち来なよ」
翠星石「ちゃんと翠星石の目しっかり見ながら差すですよ」
俺「分かってるよ。見ないと差せないし」
翠星石「絶対に目逸らしちゃ駄目ですよ」