アスペルガー(発達障害、自閉症) 20〜40代の男性が多く、その半数は失職してネットで気づく 

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1 オオクチイシナギ(東京都)

「変わってる!?」と言われて 大人のアスペルガーを考える
−どんな人が来院しますか。
二十〜四十代の男性が多いですね。その半数は失職しています。今は、インターネットの情報で自分の
発達障害に気付く人が増え、中には、アスペルガー症候群の傾向を調べる「自閉症スペクトラム指数」(AQ)を
自己採点してくる人もいます。引きこもりや家庭内暴力などの問題を起こして、家族が連れてくる
場合もあります。

−診断の方法は。
本人や家族に、三歳ごろまでに他人との関係やコミュニケーションに問題がなかったか、反復的行動や
こだわりなどのエピソードはあったか、などを聞きます。診断できる精神科医の数が絶対的に少ないのが
問題です。AQも使いますが、単なる目安の一つです。

−アスペルガーと診断された人の反応は。
「他の人とどこか違う」「いじめられる理由が分からなかった」と思っていた人の中には、診断されて納得した、
安心したという声がある一方、「障害者の烙印(らくいん)を押された」ととらえる人もいます。否定的に
受け止めないように説明する配慮が必要です。
 
−アスペルガーの原因は分かっているのですか。
脳の機能障害といわれますが、どの部分かについての定説はまだありません。遺伝的な形質があると
いわれています。

−二次障害の問題をよく聞きますね。
元の障害が原因で、会社や家庭などで対人関係がうまくいかず、心の傷が深くなり、
うつ病や強迫性障害になる人は多いです。まずはこの治療をすることが大事です。

−周囲への助言は。
職場でも、障害を理解することが何より大切で、対外交渉のような不向きな仕事は避けるべきです。
でも、根気もあり、技術畑で評価を受けている人も多いし、アスペルガー症候群とみられる偉人もいます。
ビジネスの難局を突破する際には異能が必要で、優れた能力を活用しない手はありません。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2010042302000111.html