聖職者の性的虐待問題で被害者がバチカンとローマ法王を提訴
(CNN) 米ウィスコンシン州のカトリック系ろう学校で神父が少年200人あまりを性的に虐待したとされる事件をめぐり、
米イリノイ州の男性がバチカン(ローマ法王庁)とベネディクト16世を相手取り、
事件隠ぺいの責任を問う訴訟をウィスコンシン州ミルウォーキーの米連邦裁判所に起こした。
神父に性的暴行を受けたという男性は22日に記者会見し、神父は我々の体を奪ったかもしれないがとしたうえで、
大司教やローマ法王など高位の聖職者は「我々の声を奪った」と手話で訴えた。
訴状の中で、当時ろう学校に通っていた被害者は神父に性的虐待を受けたと訴え、
「ローマ法王庁は聖職者による子供の虐待が長年にわたって横行していると知りながらそれを隠し、虐待を横行させた」と主張。
ローマ法王庁に対し、性的虐待を行ったとされる聖職者数千人の氏名を公表するよう求めた。
ベネディクト16世は、ローマ法王として聖職者を辞めさせる権限を持ち、
枢機卿だった当時は性的虐待問題をめぐる調査にもかかわったとして被告に加えられた。
ローマ法王庁広報はこの訴訟についてコメントを求められたが言及を避けた。
被害者でつくる団体のSNAPによれば、ローマ法王庁が調べている聖職者による虐待事件は4000件に上るという。
http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201004230007.html