米国生物化学者「泣くとすっきりするのは排泄と同じ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 浮子(栃木県)

■泣くのは最高の「カタルシス効果」!
私たちは、普段の生活では、社会人や親、配偶者などの「役割」に沿って、理性的に(キチンと)生きることを求められています。
それは、大事なことでもありますが、理性の枠に自分をはめすぎると、心のどこかに本当の気持ちを出し切れていないような、
何か大切なことを忘れてしまったような、そんなモヤモヤした気持ちを抱えるようになるのではないでしょうか。
そんなときに、心を許せる人とじっくり話をしたり、懐かしい人に出会ったり、いい映画をみたりすると、思わず涙があふれてくることがあります。
心の奥底にしまっていた感情が湧きだし、涙とともに「カタルシス効果」を体験することができるからです。

■泣くとすっきりするのは「排泄」と同じ!?
米国の生物科学者であるウィリアム・H・フレイが行った研究によると、涙には、ストレスに関連した物質やホルモンが含まれていることが分かりました。
その代表的なものとして、「ロイシン-エンケファリン」があります。これは、「ランナーズハイ」などの快感をもたらす、いわゆる脳内モルヒネ「β-エンドルフィン」の一種です。
この「ロイシン-エンケファリン」には、ストレスによって生じる神経反応を楽にする作用があります。この物質の他にも、ストレスを感じるときに分泌される
「ACTH」(副腎皮質刺激ホルモン)などの成分も見つかっており、涙は過剰に分泌されたこれらの物質の排泄の役割を果たしているのではないか、とフレイは説きました。
泣くとすっきりするのは「排泄」の効果と同じ? と考えると、少し腑に落ちるような気がしますが、この仮説はまだ完全に証明されたわけではありません。

■泣けなくなる日が来る前に……
感情に伴って流れる涙。そのメカニズムについては、まだ証明されていないことも多いのですが、一つ強調したいのは「ストレスがたまってくると涙も流せない」という現象が起こりうる、ということです。
理性ばかりを働かせて感情を抑え込んでいると、感情をつかさどる脳の大脳辺縁系の働きが抑制されて、感情の吐露ができなくなることも関係しているのかもしれません。
泣きたいときに思い切り泣ける自分……そんな感情を素直に表せる自分を大切にすれば、心豊かに年齢を重ねていけるのではないでしょうか。

http://news.livedoor.com/article/detail/4708830/