「セントラム」商標登録
公認グッズ販売の道開く
富山市は1日、路面電車環状線を走る車両の愛称「セントラム」を商標登録したと発表した。民間による商標利用も積極的に呼びかける方針だ。
昨年12月の開業時には商標権登録が間に合わず、関連グッズ販売を断念した民間業者もあったが、これにより公認グッズ販売に道が開けた。
市は昨年10月、カタカナの「セントラム」とアルファベットの「CENTRAM」の名称やロゴを独占的に利用できるよう、
特許庁に商標登録を出願。2月26日に登録された。
これまでも市は市芸術文化ホールの愛称「オーバード・ホール」などを商標登録しているが、他の施設に同じ名前を
使わせないようにするのが主目的だった。今回、民間に利用を促すことにしたのは、セントラムの愛称入りのグッズが
できれば「市のイメージアップにもつながる」(森雅志市長)との判断がある。
首都圏などの自治体で商標活用の取り組みが広がっていることも決定を後押しした。
商標権の扱いを巡っては当初、セントラムのPRになるよう民間が使いやすくすべきとの意見がある一方、市の知的財産である
商標権を安売りすべきではないとの指摘もあった。民間に無料で使わせるには議会の議決が必要になり、利用がかえって制限される恐れもあった。
このため、使用許諾料の下限を販売総額の1%相当額と定め、具体的な割合は業界の相場をもとに個々に決めることにした。
すでに市内外の衣料、おもちゃ企業3社から具体的な問い合わせが入っているという。
その一つで新電停「大手モール」に近い老舗呉服店「秋吉屋」(富山市大手町)は、昨年12月の開業に合わせてセントラム柄の
手ぬぐいの販売を計画したが、市の方針が定まらず、いったん断念した。同店は「許可が出れば発注したい」と、市の方針決定を喜んでいる。
セントラムが走る環状線の新電停の乗降客は3月末現在、1日平均1150人。開業前予測の1320人を下回り、新規開業効果に陰りも見える。
市路面電車推進室は「グッズ効果でどんどん乗ってもらいたい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20100402-OYT8T00031.htm