こだわりたいのは「出塁率」―。巨人の坂本勇人内野手(21)がトップバッターの自覚とともにペナントに突入する。
1番打者としては初めて迎える開幕戦。昨年の“屈辱”をバネに今季は出だしから自らのバットでチームを勢いに
乗せ、フルイニング出場を果たす。
3年連続の開幕スタメンだが、08、09年の打順はいずれも8番。今季は巨人打線の先陣を切って打席に立つ。
25日、最終調整に臨んだ坂本は「ジャイアンツで最初に打席に立つということを誇りに感じます。1、2番の出塁率
が上がれば、チームの勝率も上がると思う。後ろ(に続く打者)が、すごい人たちばかりなので、それ(出塁)だけを
考えてやりたいです」と強調。何が何でも塁に出て小笠原、ラミレスらクリーンアップにつなげるつもりだ。
昨年の打率はリーグ4位の3割6厘。それに対し出塁率は、同10位の3割5分7厘とまだ伸びしろが残った。特に
「1番・坂本」が初回に(安打または四死球で)出塁したケースでは、32勝9敗2分けの7割8分と勝率が跳ね上が
っている。凡退時の5割9分1厘(39勝27敗5分け)とは大きな差があるだけに、第1打席の勇人にかかる期待と
プレッシャーは大きい。
同じ失敗だけは繰り返さない。昨年4月3日の広島との開幕戦。全力疾走を怠るなど淡泊な姿勢が原監督の逆
鱗(げきりん)に触れ、3打席凡退となったところでベンチに下げられた。「過去のことは気にしない。今年は今年」
と気持ちを切り替えたが、目標だったフルイニング出場が、いきなり出だしで頓挫した悔しさは忘れていない。
「(開幕戦は)平常心でやるだけ。自分のバッティングを変えないで積極的にいきたい。最後までこのポジション
を守りたいですね」
オープン戦序盤こそ打撃不振に苦しんだが、終盤に6戦5発と完全に復調した。「いい感じの気持ちの高ぶりが
ありますね」。開幕ダッシュの号砲は、坂本のバットから放たれる。
http://hochi.yomiuri.co.jp/giants/news/20100325-OHT1T00273.htm