高速道路、実質値上げ決定 値下げのために確保した財源で道路を作る方向へ

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1 黒板(宮城県)

高速割引財源“転用”を閣議決定 ドライバーには実質値上げ

 政府は12日、高速道路料金を地方で土日祝日に
「1000円乗り放題」とする割引制度のために確保した財源を
高速道路整備に転用できるようにする「道路整備事業財政特別措置法」の改正案を閣議決定した。

 1000円乗り放題などのために確保した財源は、
2008年度からの10年間分で約3兆円。
鳩山政権は、公約に掲げる高速道路無料化を10年度から一部路線で実験的に実施。
その一方で、1000円乗り放題などの現行の割引制度を廃止し、
車種によって料金に上限を設ける新たな割引制度を導入する方針を打ち出している。
上限は乗用車の場合で、2000円とする方向だ。

 ただ、10年度の無料化路線のために投じられる財源は
わずか1000億円に削減され、実施路線はごくわずかしかない。
さらに、高速道路整備への転用により財源が減る中で導入される新たな割引制度は、
「(現在よりは)むしろ値上げになる」(前原誠司国土交通相)。

現行の1000円乗り放題などの割引制度は、
特措法の「利便増進事業」として行われており、改正案はこの事業の対象を道路整備に拡大する。

 具体的には、(1)渋滞解消のための4車線化(2)高速道路がつながっていない区間を結ぶための整備
(3)混雑解消のためのサービスエリアなどの駐車場整備−などが対象となる。

 鳩山政権は、これまで「道路公団の民営化の趣旨に反する」などとし、
高速道路への税金の投入を否定してきたが、転用という“裏技”での方針転換には、批判も出そうだ。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100312/mca1003120859014-n1.htm