高島屋、地方店再生挑む 岡山で地場企業の出資活用
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100301/bsd1003010501002-n1.htm 不採算店舗の閉鎖、人員リストラ…。「小売りの王者」といわれた百貨店の凋落(ちょうらく)が止まらない。
逆風が吹き荒れる中、大手の高島屋が打ち出した地方店の再生戦略が注目を集めている。
全額出資子会社の「岡山高島屋」(岡山市北区)が、4月から地域の公共交通大手、
両備ホールディングス(HD、同)から出資を仰ぎ、経営のテコ入れに乗り出すことを決めたのだ。
百貨店が異業種と資本・業務提携するのは極めて異例。
得られた成果やノウハウを他の地方店にも広げる考えだ。
提携の成否は未知数だが、高島屋の試みは生き残りにもがく百貨店業界に新風を吹き込む可能性がある。
「若い世代向けの商品が少ない。レストランのメニューも改善の余地がある」
2月1日に就任した岡山高島屋の肥塚見春(こえづか・みはる)社長(54)のもとに、
こうしたメールが毎日のように舞い込む。発信者は両備HDの小嶋光信社長(64)だ。
4月1日付で岡山高島屋に33.4%出資するとともに、自らも会長に就任して経営に参画する。
小嶋社長は、実は公共交通の世界では名の知られた“再建請負人”。
年間5億円の赤字が出て廃止が検討されていた和歌山電鉄(旧南海電気鉄道)貴志川線を、
猫の「たま駅長」などのアイデアで再生させたのは有名な話。
このほかにも経営難の中国バスを補助金を返還するまでに復活させたりと、
経営に苦しむ各社から引っ張りだこの人物だ。(以下略)