普天間問題、収拾つかないため検討委を打ち切り密室協議へ
政府は3日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題を協議する政府・与党検討委員会での論議を実質的に
打ち切る方針を固めた。移設先をめぐり政府・与党内の足並みが乱れる中、鳩山由紀夫首相が掲げる5月末までの
決着を図るには、水面下での選定作業を急ぐ必要があると判断した。
政府は、国民新党が主張する同県名護市のキャンプ・シュワブ陸上部への移設案を非公式に米側に提示。
北沢俊美防衛相は、同案を政府内で検討していることを事実上認めている。県内移設を模索する動きに社民党や
沖縄県側は警戒感を強めており、検討委での論議打ち切りにも反発するのは確実だ。
国民新党は3日、シュワブ陸上案と、米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)への統合案を同党案とすることを決めた。
これを受け、平野博文官房長官は記者会見で「早く候補を決定するプロセスに入っていきたい」と強調。
「個別に委員長に提出いただくということでも同じだ。(進め方は)わたしに一任していただいている」と述べ、
検討委での作業継続は必ずしも必要ではないと指摘した。
さらに、平野長官が先に言及した、事実上の民主党案となる同長官自身の案の提示に一転して否定的な
考えを示し、「(社民、国民新両党の案を)それぞれ引き取るので、わたしの方、政府、防衛省の方で実現が
技術的に可能か検証しないといけない」と語った。
社民党は米領グアムなど国外移設を最優先で求める一方、早期実現が困難な場合の移設先として、
長崎県の海上自衛隊大村航空基地など国内9カ所を候補とすることも容認する方針。同党は既に政府高官にこうした方針を伝えた。
首相は3日夕、検討委について「それなりの時期に開かれてしかるべきではないか。これからも機能させていくべきだ」と記者団に語った。(2010/03/03-19:45)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010030300698