統合失調症患者を人工的に作り出すことに成功

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1 消しゴム(愛知県)

 統合失調症の一部は、胎児期の脳神経系の発達障害が原因であることが、名城大学の
鍋島俊隆教授らのマウスを使った実験で明らかになった。

 新たな治療薬の開発などに役立つと期待される。25日付の科学誌「ニューロン」に発表した。

 統合失調症は、幻覚や妄想が生じて思考が混乱したり、感情が不安定になったりする病気で、
100人に1人程度発症する。脳神経系の発達に問題があると、成長後にストレスが引き金となって
発症すると考えられていたが、詳しいメカニズムは分からなかった。

 鍋島教授らは、統合失調症の候補遺伝子で、神経系の成長を促す「DISC1」に着目。
脳が形成される出生5日前の胎児のマウスで、脳のDISC1を一時的に働かないようにすると、
成長したマウスは音に過敏に反応したり、認知機能が低下したりするなど、統合失調症に特有の
症状を示した。脳の神経細胞の数は正常だが、回路が未熟で、機能が低下していた。統合失調症の
治療薬の投与で症状は改善した。

 鍋島教授は「統合失調症の特徴をここまで再現したマウスはなかった。治療薬の開発に役立てたい」と
話している。
(2010年2月25日10時44分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100225-OYT1T00387.htm