イタリア・ファシズムの指導者、ベニト・ムソリーニ(1883〜1945年)の愛人の日記が昨年末、同国で出版された。
ムソリーニの反ユダヤ主義はヒトラーへの追従で、本人に強い差別意識はなかったとの通説があるが、日記には極端に血統を重んじる姿勢が記されていた。
日本人については知性や勤勉をたたえる一方「猿みたいに何でもまねする」との発言がみられる。
約500ページの本「秘められたムソリーニ」(リッツォリ社)には、一緒に銃殺された愛人
クラレッタ・ペタッチ(1912〜45年)の32〜38年の日記が収められている。
これによると、ムソリーニは38年、ユダヤ人を擁護するローマ法王らについて「卑しい人種を守る連中」などと批判。
「不快なユダヤ人をみなつぶすべきだ。孤立させ閉じ込める」などと随所でユダヤ人差別を主張している。
また、同盟相手のヒトラーが式典で感涙したのを見て「センチメンタル」とくさし、長い演説は自慢ばかりで「全然面白くない」「図に乗っている」と批判している。
「私は21年から人種主義者だ。(人々が)ヒトラーのまねをしたと思うのが分からない」と、愛人を前に人種政策も自身の発案と強調した。
さらに、「アフリカ(戦線)から報告を受ける度に不快だ。きょうも黒人と同棲(どうせい)した(兵士)5人が
逮捕された。(略)汚らわしいイタリア人が7年もしないうちに帝国をつぶす」
「混血を生まず、美を損なわないようイタリア人には人種意識が必要だ」と選民意識をあらわにしていた。
一方、37年10月の日記では、同盟国・日本の占領下にあった中国の大使との会談に触れている。
「なぜイタリアは中国を支援しないのかと聞かれたが、単に仏英と同じ立場になれないからだ。
もし仏英が日本側につくなら、我々は中国につく」「中国人は頭がいい。だが日本人はとてつもない。
猿みたいに何でもまねをする。彼らはすごい。すぐに学習する」と語っていた。
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